トヨタが14年ぶりに全面改良。新型「ランクル」の全貌

カーボンニュートラル配慮

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燃費向上を図った新型ランドクルーザーを発売した

トヨタ自動車は、14年ぶりに全面改良した大型スポーツ多目的車(SUV)「ランドクルーザー」の新モデルを国内発売した。ガソリン車に加えてディーゼル車を用意。単純比較はできないが、ガソリン車のみの設定の前モデルと比べ、新型ディーゼル車は燃費が約45%向上するという。信頼性、耐久性とともに環境性能を高め、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の要請に配慮した。(名古屋・山岸渉)

「前モデルの200系は排気規制などを踏まえディーゼル車を展開しなかったが、ユーザーから復活してほしいとの声が大きかった。燃費を良くすることで二酸化炭素(CO2)の削減にも貢献できる」。開発責任者の横尾貴己主査はこう力を込める。ステーションワゴンタイプの新型ランクル「300系」で、排気量3300ccV型6気筒ツインターボのディーゼルエンジンを復活させた。

またガソリン車には同3500ccV型6気筒ツインターボエンジンを採用。従来のV型8気筒エンジンに比べて燃費を約2割高めた。価格は510万―800万円(消費税込み)。

ランクルの特徴である車両の信頼性や耐久性などの改良にもぬかりはない。車両を200キログラム軽量化しつつ、車体の剛性は従来比2割高めた。新開発のサスペンションの採用などで乗り心地と操縦安定性も向上させた。トヨタ車として初めてエンジン始動スイッチに指紋認証を採用。盗難リスクを低減した。

ランクルは誕生70周年を迎えた。「どこへでも行き、生きて帰ってこられること」を使命に顧客ニーズに長年応えてきた。長距離運転が生活上必要で、部品を交換するなど自身で車両を整備し長く利用するユーザーも多い。

ランクルは部品が複雑になって扱いが難しくなる電動車とは、一線を画す存在だ。その中で昨今求められる環境性能にも気を配り進化を遂げた。

またトヨタは1960年に発売し、今も世界各地で走るランクル「40系」の補給部品の復刻を決めた。エンジンや駆動系、排気系の重要部品を想定。22年初頭をめどに生産の準備が整った部品から順次発売する。

発売から長年がたち部品が欠品するケースが出ており、ユーザーから「もう乗れなくなる」と心配する声が寄せられていた。部品復刻を担当する小鑓貞嘉主査は「まずランクルが世界中で人気を得たのは40系。今後、お客さまの声を聞きながら(40系以外の)補給部品の復刻を検討したい」と語った。

日刊工業新聞2021年8月3日

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