ホンダが鈴鹿工場の停止拡大。半導体不足の解消難しく
ホンダは8月に予定している鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の稼働停止日を追加する。予定していた2―6日の5日間に加え、夏期休暇明けの16、17日の生産も停止する。半導体不足の解消が難しいと判断した。東南アジアでは新型コロナウイルス感染拡大でロックダウン(都市封鎖)が行われており、部品調達が滞っている影響もある。ベトナムの2輪車工場も7月30日まで停止する。
鈴鹿製作所は軽自動車「N―BOX」や小型スポーツ多目的車(SUV)「ヴェゼル」、小型車「フィット」などの4輪車を生産している。1日当たりの生産能力は約2000台。今後、生産を挽回する予定。埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)や同寄居工場(同寄居町)など、他の国内工場は予定通り稼働する。
ベトナムではハノイ市で事実上のロックダウンが実施されており、従業員がハノイ市からビンフック省、ハナム省にある2輪車工場に出勤できなくなった。サプライヤーからの部品調達にも影響が出ている。
半導体不足の影響は2021年初頭に表面化した。3月にルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災で深刻化したが、現在は火災前の生産水準にほぼ復旧したと見られる。
ただタイトな需給状況に変わりない。トヨタ自動車も半導体不足を理由として、8月に高岡工場(愛知県豊田市)の稼働停止を予定する。東南アジアでの新型コロナ感染拡大の影響も含め、サプライチェーン(供給網)の混乱が続いている。
日刊工業新聞2021年7月28日