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電動車パワーモジュール向けアルミ製冷却器の生産を倍増。昭和電工の本気度

昭和電工は、電動車のパワーモジュール向けアルミニウム製冷却器(写真)の生産能力を従来比2倍に増強し、年産200万個に引き上げる。小山事業所(栃木県小山市)で生産ラインの増設に着手し、2022年初頭に稼働する。投資額は非公表。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など向けの需要拡大に対応する。

パワーモジュールは複数のパワー半導体や電源関係の回路を集積した重要部品で、冷却器には小型かつ高い放熱効果、搭載方法の自由度の高さが求められる。昭和電工の冷却器は、絶縁基板上に自社製の放熱用アルミフィンを真空ロウ付け技術によって高精度に直接接合している。小型で、冷却水の配管位置を柔軟に設計できる高い汎用性と、高い放熱効果を実現した。

同社は19年から冷却器の生産を開始。国内の大手パワーモジュールメーカーでモジュール化され、国内やアジア各地の自動車メーカーに採用されている。長年培ったアルミ合金技術や加工技術、パワーモジュール評価技術を強みとしている。

日刊工業新聞2021年7月30日

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