生物多様性の世界目標達成へ民間緑地組み入れ、企業が得るメリット

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リコーグループが整備する「えなの森」(岐阜県恵那市)

環境省は民間が所有する緑地を国の生物多様性保全の目標達成に組み入れる要件案を2021年度中にまとめる。陸域や海域の30%を保護するように求める世界目標が10月に採択される見通しで、先行して達成手段を検討して企業緑地に着目した。企業にとっても国の目標への貢献は緑地を保全する動機付けとなり、意欲的に生物多様性保全に取り組める。

国の目標に加える緑地の要件は、保護区以外でも生物多様性に貢献する地域(OECM)の考え方に沿って検討する。OECMは国際的に定義や基準があり、環境省は有識者会議で日本の地域性や実情に合う要件案をまとめる。

10月の国連の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で生態系の回復を目指す世界目標が決まる。30年目標として重要な地域を30%保護することが検討されている。

日本は自然公園や鳥獣保護区、保護林などの法規制による保護地域が陸域に20・5%あるため、残りの約10%分を民間などの緑地を活用して積み上げる。企業も自社の緑地が国の目標に加わればESG(環境・社会・企業統治)や持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みとして発信しやすくなる。社有林を持つ企業も多く、敷地内で絶滅危惧種の生息を保護する企業も少なくない。三井物産は70カ所以上に社有林を保有する。リコーも岐阜県恵那市に40ヘクタールの社有林を整備している。

日刊工業新聞2021年7月14日

キーワード
環境省 緑地

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