攻めの経営に転換。NECが示した新5カ年中期経営計画の中身

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NECの森田隆之社長は19日、オンラインで会見し、2025年度までの5カ年の中期経営計画に向けて「中計で設定した各成長領域で、それぞれのトップ企業に照準を合わせて手を打つフェーズだ」と攻めの経営への転換を強調した。経営状況について「財務的にみて、先に向けて積極的に手を打てる状態。普通の会社に戻った」と自己評価した。

成長を加速する上でのカギとなるM&A(合併・買収)戦略は「成長への手段として当たり前。足腰がしっかりした良い会社(案件)があれば進める」と意欲を示したが、前中計で設定した数千億円規模の投資枠に関しては「数字が先走ると誤解を招く」と明言を避けた。

また、中計の期間を従来の3カ年から5カ年とした背景について「先が見えにくい時代だからこそ、長期的な視点に立った方向性を示すことが必要」と述べ、投資回収の観点も踏まえ「3年間という時間軸では事業を回しにくく、思考の転換が難しい」と説明した。

今中計では25年度に調整後の営業利益3000億円、当期利益1850億円を掲げている。成長の柱の一つである第5世代通信(5G)関連の海外展開では、英国の通信事業者4社との実証実験で相互接続性について検証中。「英国政府が(通信機器などの選択で)プレーヤーを増やす方針」であることを強調。実証実験などを進める中で、商用化による案件獲得は22年度ごろを見込む。

5Gは国内事業に加え、基地局やソフト・サービス事業で海外進出を図る。25年度に売上高1900億円を目標とするが、海外比率は明言しなかった。

NTTが中心となって提唱する次世代光通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」で、富士通との連携の可能性についての質問に対しては「開発フェーズでそれぞれが特徴を生かせる領域が出てくるだろう」と述べた。富士通は中央演算処理装置(CPU)、NECは通信系のアクセラレーターなどで強みを持つ。

国内ではデジタル庁の本格始動に向けて「日本のデジタル化は小さな成功を積み重ねることが大切」と指摘。海外で推進するデジタルガバメント事業に関連して「海外でのノウハウを国内に持ち込むなどで貢献できる」と語った。

日刊工業新聞2021年5月20日

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