コロナ禍が国内パソコンサーバー市場に与えた影響とは?
MM総研が調査
MM総研(東京都港区、関口和一所長)がまとめた国内パソコンサーバー市場調査によると、2020年度の出荷台数は前年度比8・6%減の40万6515台と、2年連続で減少した。コロナ禍で商業施設やオフィスの利用が減り、店舗などの施設やオフィスでのオンプレミス(自社保有)のパソコンサーバー需要が伸び悩んだ。
出荷台数の減少に伴って、出荷額も同2・1%減の2778億円となったが、台数減に対して減少幅が小幅にとどまった。財務・会計、生産・販売管理といった企業の基幹業務を扱うシステムやマイナンバー、医療情報など個人情報を扱う中規模以上のシステムはオンプレミス構築が多く、これらの出荷が出荷額を下支えした。
微減傾向は21年度も続く見通し。出荷台数は同0・8%減の40万3450台と予測。ワクチン接種の進展で経済活動が回復すると、サーバー需要も徐々に回復するが、「本格的な回復は22年度以降となる」(MM総研)。足元では、世界的な半導体不足の影響で、製品供給の遅れや部品の値上げが懸念されている。同調査はメガクラウド事業者などがODM(相手先ブランドによる設計・生産)メーカーなどから調達する自社専用設計のパソコンサーバーは対象外。
日刊工業新聞2021年7月6日