SDGsを加速。広がる“寄付付き”サービスは顧客の心掴むか

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日の丸リムジンで寄付付き送迎サービスの対象となるテスラ製EV

再エネ電気販売で先行

利用料金の一部を環境貢献活動などに寄付ができるサービスが広がっている。日の丸リムジン(東京都文京区)は1日、電気自動車(EV)のハイヤーの乗車回数に応じて、子どもの環境教育に寄付するサービスを始めた。ビッグローブ(東京都品川区)も同日、料金の一部を社会貢献団体に寄付できる携帯電話の通信メニューを始めた。環境や社会に貢献したい企業や消費者が増えており、寄付付きサービスが顧客獲得につながりそうだ。

日の丸リムジンは日本環境協会(東京都千代田区)と協定を結び、寄付付き送迎サービスを始めた。顧客がEVハイヤーを利用すると500円を同協会が事務局を務める「こどもエコクラブ」に寄付する。EV10台を運用しており、初年度は1500回の利用を目指す。

こどもエコクラブは自然体験などを通じて環境問題解決に自ら行動する人材育成を目的とした組織。全国で1700クラブ、9万人が活動している。日の丸リムジンは都市交通の環境対策として2010年からEVを導入しており、こどもエコクラブの趣旨に賛同した。役員の送迎にEVハイヤーを使う企業も、環境保全と教育を支援する。

ビッグローブの新メニューは契約者が教育や環境、医療など5分野から支援先を選び、月額2480円(消費税抜き)の利用料から50円を寄付する。デジタルに慣れ親しみ、社会貢献意識の高い「Z世代」に提案する。

寄付付きサービスは再生可能エネルギー電気の販売で先行する。自然電力(福岡市中央区)は電気料金の1%を太陽光や風力発電などの建設費に充てる。同社の契約者は再生エネルギーのさらなる普及に貢献できる。ソフトバンクグループのSBパワー(東京都港区)も電力販売の利益の一部で森林保全を支援する。

料金の一部で寄付できる仕組みを訴求する手法は「コーズマーケティング」と呼ばれる。消費者も日常の買い物や生活で環境保全に参加できるため、貢献が長続きする。企業も本業と連動して国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に取り組める。

日刊工業新聞2021年7月2日

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