創業希望者に新たな選択肢。日本公庫が「引き継ぎ型」を支援

  • 0
  • 0

日本政策金融公庫は、創業希望者を対象に第三者から事業を引き継ぎ創業する戦略を学べるオンライン講座を8月に開講する。創業や事業承継に詳しい専門家が講師を務め、既存企業などからM&A(合併・買収)で事業を引き継ぎ創業する際の勘所や経営に必要な知識を学べる。創業希望者に創業の新たな選択肢を提案し、挑戦を後押しする。後継者の不在で事業譲渡を検討する企業と、創業希望者のマッチングにもつなげる。

オンライン講座「継ぐスタ・スクール」を8月28日―9月25日の毎週土曜に全5回開く。7月1日から定員50人(先着順)で募集を始める。受講料無料。ウェブ会議システム「Zoom」を使った双方向型の講座で、中小企業診断士や税理士、経営コンサルタントらが講師を務める。

創業にあたりM&Aで第三者から事業を引き継ぐ際のプロセスや会計・税務の基礎知識、収支計画書の作成方法などを講義する。実際に第三者から事業を引き継いで創業した企業経営者が自身の経験談を紹介する講座も設ける。このほか受講者は日本公庫の相談員による創業計画書の個別作成支援を受けられる。

第三者から事業を引き継いで創業する形態は、事業譲渡側が保有する設備や人材など経営資源を活用できるため、一般的な創業と比べてコスト負担を軽減できる利点がある。顧客や取引先も引き継いだ場合は創業直後から経営の安定化が図れる可能性がある。

後継者不在など事業承継に課題を抱える経営者にとってもメリットがあり、成長意欲のある創業希望者に事業を引き継ぐことで休業・廃業の回避や従業員の雇用維持が期待できる。

日本公庫では2019年3月に事業承継支援強化の一環で国民生活事業本部内に「事業承継支援室」を設置し同年4月から小規模事業者を中心に後継者不在の企業と創業希望者をマッチングする取り組みを始めた。これまでに譲渡希望者は累計298件、譲受希望者は806件の申し込み登録があった。譲受希望者のうち254件は事業引き継ぎ型での創業希望者だった。

日刊工業新聞2021年7月1日

関連する記事はこちら

特集