「起業したいけど・・・」関心があってもできない理由

日本政策金融公庫が調査

 日本経済の活性化には数多くの新興企業の創出が欠かせない。だが、起業関心層(経営経験がなく、現在起業に関心がある)が、起業に踏み切れない理由として、「自己資金の不足」と「失敗時のリスクの大きさ」が大きな懸念になっていることが日本政策金融公庫の調査で分かった。

 日本公庫が実施した「2018年度起業と起業意識に関する調査」によると、起業関心層が起業しない理由として「自己資金が不足している」(53・1%)をあげる割合が最も多かった。次いで「失敗したときのリスクが大きい」(35・5%)、「ビジネスのアイデアが思いつかない」(33・6%)の順だった。

 起業に関心があっても、資金不足や失敗リスクが懸念材料となり起業をためらう人が多い。具体的なリスクに「事業に投下した資金を失うこと」をあげる割合が80・3%と最も多い。以降も資金面の問題が続き「借金や個人保証を抱えること」(74・2%)、「安定した収入を失うこと」(70・5%)の順だった。

 起業関心層が求める支援策は、「税務・法律関連の相談制度の充実」「技術やスキルなどを向上させる機会の充実」など、創業に関する知識・スキルの向上が挙がった。

 起業意識は高まっている。類型別に過去の調査結果と比較すると、18年度の起業関心層の割合は16・0%と17年度に比べて4ポイント増加した。起業家も1・9%で同0・7ポイント増加した。年齢別では、起業家および起業関心層は「29歳以下」が厚く相対的に若い。

 日本公庫総合研究所は「起業促進に向け、若い世代への情報発信の支援を充実していく必要がある」(小企業研究第一グループ)としている。

 日本経済が持続的な発展を続けるためには、ベンチャーの創出や成長が重要だ。ベンチャーや創業に関心を持つ層を“起業家”として顕在化させることが必要。そのためにも、日本公庫をはじめとする金融機関のさらなる資金面での情報提供や相談制度の充実が急がれる。

 調査は18年9月に実施。起業前後に融資を受けなかった人や、まだ起業していない人らを含む全国18―69歳の男女4万128人から回答を得た。
(文=山下絵梨)
          

日刊工業新聞2019年1月24日

  

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