新型コロナで中小企業に未曾有の資金難。公的融資“リーマン後”超え相次ぐ

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政府系金融機関が5月31日までに決定した新型コロナウイルス対策の中小企業向けなどの公的融資の総額が分かった。日本政策金融公庫(日本公庫)は5月末までの約4カ月間で承諾ベースの融資額が5兆9000億円となり、リーマン・ショック後に過去最高となった2009年度の類似の融資実行額を超えた。商工中金は3―4月の2カ月間の融資実行額が、リーマン後の08年10―11月に実行した同様の融資に比べて約21倍になった。新型コロナが未曽有の資金難を招いている状況が明らかになった。

日本公庫による新型コロナ対策の融資申込件数は、1月末―5月で約52万1000件に上る。承諾件数は約35万8000件で、承諾金額は約5兆9000億円だった。特に4月以降、相談が急増しており、20年度の融資実績は、リーマン後の09年度に実行した同様の融資制度の実績5兆1288億円を大幅に超える見通しだ。

一方、商工中金は3月から危機対応業務として公的融資を開始した。5月末時点の申込件数は2万6102件、承諾件数は1万1966件、承諾金額は8563億円だった。4月末の実行金額は1476億円となった。相談窓口の開設当初は飲食業や小売業などの個人事業主や小規模事業者からの相談が多かったが、足元では製造業や卸売業からの相談が増えているという。

今後も「高水準の相談件数が継続する」(商工中金)としている。危機対応業務の融資実績は09年度の2兆3000億円超が過去最高で、20年度は日本公庫と同様にこれを超える見込みだ。

このほか民間金融機関の融資申込件数は5月末時点で約23万5000件、承諾件数が約15万2000件、承諾金額は2兆7000億円。信用保証協会の保証申込件数は約43万9000件、承諾件数が約34万6000件、承諾金額は7兆4000億円となっている。

日刊工業新聞2020年6月4日

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