海外在住の外国人教員が責任者に。東京外大がオンライン授業で新制度
東京外国語大学は海外在住の外国人教員らがオンライン授業の科目の責任者となる新制度を始めた。従来は日本人教員の科目に、ゲスト講師として参加する形が多かった。新たに設けた外国人非常勤講師の「連携教授」などが成績評価まで手がける。これにより、同大に通う学生は留学しなくても日本語研究の拠点である海外の協定校の教員や学生と交流し、本格的な履修の機会を得られる。
新設した「特定非常勤講師」制度の主な対象は海外の協定校に在籍する教員・研究者、在外公館員・企業人など。外国人教員は連携教授などの称号を持ち、オンライン・オンデマンド授業で専任教員と同じく学習計画(シラバス)作成から成績評価まで手がける。
東京外大の海外協定校は約220機関で、現地の日本研究拠点で日本語を学ぶ学生を抱えていることが多い。例えば同大の学生は専門とする各地域の語学を週5コマ取る。新制度によってうち1コマを協定校のネーティブ教員が担当。両国の学生がタンデム型で語学を教え合う機会などが取り入れやすくなる。
ブラジルのリオデジャネイロ州立大学とは日本・ブラジルの両国学生がポルトガル語でサッカーやラテン音楽、教育制度などを議論する場がある。オンライン授業が一般化したことで、感染症の流行など渡航が難しい時の活用が期待される。
非常勤講師は一般に対面を前提に、日本の労働基準法に基づく雇用や業務委託となる。新制度なら来日なしのオンライン授業の担当でも連携教授など同大公式の称号を持って活動しやすくなる。東京大学も同様の新制度を始めている。
日刊工業新聞2021年6月24日