60万人の学生と6万人の教員、「国立大」というインフラの生かし方

「国立大学協会」新会長、永田恭介筑波大学長が就任記者会見

 国立大学協会の永田恭介新会長(筑波大学長)は、就任記者会見で「多様で個性ある86の国立大は、地方や国の基盤を支えている。協力こそすれ、けんかや競争はしていない。この構造を間違えてはいけない」と、大学改革で会員大学が一丸となる姿勢を強調した。予算配分とセットとされる評価については「(本来の目的は)教育・研究の質向上のためだ」とし、「どうしたらこの国にとって一番よいのか、理詰めで議論していきたい」と語った。

 永田新会長は60万人弱の学生、6万人強の教員を抱える国立大が、高度な教育・研究や知的基盤という“インフラ”を構築していると力説した。世界大学ランキングが対象とする総合大学で、国立大の多くが健闘していることにも言及。86大学ひとまとめの“護送船団方式”という批判を、「さまざまな特徴を持った船団で世界と戦う」と一蹴した。

 会長交代を決めた総会では、第4期中期目標期間(2022―27年度)の教育・研究の成果評価についての中間まとめもされた。「分野・領域ごとに適した指標で行う定性的・定量的な評価」と、「規模や財務など考慮した大学単位での評価」の二つで構成するとした。永田新会長は「教育施策の結果がわかるのは数年先だけに、定性評価が重要だ」と説明した。

 会長の任期は21年6月までの2年間。副会長には西尾章治郎大阪大総長、大野英男東北大総長、山崎光悦金沢大学長、林佳世子東京外国語大学長が就任した。

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日刊工業新聞2019年6月20日

山本 佳世子

山本 佳世子
06月20日
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新会長の人選を意外だと最初は感じた。が、今のような国立大学受難の時代には、ふさわしいかもしれない、と思い直した。団体トップは学級委員と求められる資質が似ているのだろう。抜群の成績と家柄であれば、それで十分、候補にと押されがちだ。しかしクラスには、複雑な家庭環境など苦しいものを背負った”仲間”が必ずいる。新たなものを切り開く資質とともに、全体に目配りできる人間性が、トップには求められるのではないか。

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