牧野フライスが半導体装置市場を深耕。旋削加工が可能な5軸マシニングセンター開発

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T1旋削仕様による加工。難削材を含めた多種材料の切削加工と旋削加工を両立する

牧野フライス製作所は半導体製造装置産業向けに、旋削加工が可能な5軸制御マシニングセンター(MC)を開発した。旋削仕様の機械は同社初となる。マシニングと旋削の工程を1台で行うことで、加工対象物(ワーク)の段取りと測定の時間を省ける。生産性向上と大型ワークに対応可能な点も訴求し、活況が続く半導体製造装置市場を深耕する。

開発したのは5軸制御横型MC「T1」の旋削仕様で、アルミニウムやチタンが加工できる従来能力を維持しつつ旋削加工に対応した。難削材を含めた多種材料の切削加工と、旋削加工を両立したMCは業界初という。

価格は1億5340万円(消費税抜き)。半導体製造装置のほか、高硬度材が適用される航空機用エンジンケースの加工向けをターゲットに、年間20台の販売を目指す。

最大ワークサイズは幅1500ミリ×奥行き1500ミリ×高さ1500ミリメートル、テーブルはサイズが1000ミリ×1000ミリメートル、積載量が最大3000キログラム。

高速回転と剛性を両立した新開発のテーブルユニットを搭載することで、テーブルの回転速度を従来比最大15倍の毎分300回転に高めた。高速回転の熱による精度誤差を防ぐための冷却機能も持たせた。

旋削用工具のロック機構を持つ小型主軸ユニットや旋削加工用ソフトウエアも搭載。チタンなどの切削能力は従来比80%維持できる。

半導体製造装置にはシール部を加工するための旋削加工が必要。従来は粗加工などにはMC、旋削形状部の加工は旋盤と、加工に応じて機械を使い分けていた。

第5世代通信(5G)の普及、自動車や電気製品の高機能化などを背景に、半導体製造装置の需要が急増している。

それに伴い、装置メーカーからはワークの大型化に伴う機械サイズの拡張や品質担保のための加工工程の集約に対するニーズが高まっている。


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日刊工業新聞2021年6月24日

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