工作機械各社の業績回復が鮮明に。過熱する中国市場、部材調達にリスク

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ツガミの長岡工場

工作機械メーカー各社の業績回復が鮮明となっている。受注のけん引役である中国が2022年3月期も好調を持続し、米国や欧州も経済活動の立ち直りに伴って工作機械需要が伸びる見通し。ただ、半導体などの部材調達リスクの懸念がくすぶり続け、中国市場に過熱感を指摘する声もあり、メーカー各社は慎重な姿勢を見せる。

牧野フライス製作所の22年3月期は、すべての損益段階で黒字転換となる見通し。中国は半導体製造装置や商用車関連をはじめ「全般的に良い」(永野敏之専務)と捉え、日本や米国でも販売が伸びる計画だ。

オークマは3期ぶりの増収と全利益段階での増益を見込む。海外受注が好調で、特に21年4月の中国での受注額は単月で過去最高を記録した。家城淳社長は「中国ではローカルメーカーの投資が旺盛で、今後は現地外資系メーカーや中国以外での投資に波及する」とみている。FUJIは米国などでの回復基調が一層強まるとみて増収の見通し。

他のメーカーでも回復基調が強まっている。ジェイテクトは3月の工作機械受注額が前年同月比13・2%増となり、中でも外需は同69・6%増と大幅に伸びた。DMG森精機は21年1―3月期の受注高が前年同期比29・5%増の1014億円で7四半期ぶりの1000億円超えを果たし、21年12月期業績予想を上方修正した。森雅彦社長は「受注は非常に強く回復してきている」と強調する。

一方で、業績回復に水を差しかねないのが半導体などの部材不足の影響だ。ブラザー工業は、半導体不足などによる顧客の生産制約の影響に加え、自社でも「部材コスト上昇は減益要因」(佐々木一郎社長)とみて、売上高、事業利益とも伸び幅は慎重に判断する。芝浦機械の坂元繁友社長は「計画的な発注で部材を確保し、最大限の生産をする」と対応策を示す。

また、受注の回復ぶりに慎重な見方も出ている。シチズン時計は工作機械事業で受注増加が続いており、古川敏之取締役は「若干の過熱感も感じられる」と話す。中国が強みのツガミは、22年3月期に売上高と営業利益で過去最高を見込むが、「中国は過熱気味で、今後徐々に落ち着いていく」(同社幹部)とみる。


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日刊工業新聞2021年5月25日

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