企業の制服“廃棄ゼロ”へ、警備業などが構築した循環システムの挑戦

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制服販売の高宮(東京都杉並区)や警備業の警備ログ(さいたま市南区)などが、企業の従業員が着用した制服のリサイクルシステムを構築した。全国の企業から制服を回収し、原料の化学繊維に戻して制服に再生する。企業は制服の廃棄をなくし、化石資源の循環利用に協力できる。衣料品やプラスチック製品の廃棄が環境問題として注目されており、企業の制服から“廃棄ゼロ”を実現する。

高宮や警備ログは、プラスチック製品を原料に再生する技術を持つ日本環境設計(川崎市川崎区)、繊維商社の持田(大阪市中央区)と協力してリサイクルを始めた。使用済みの制服を日本環境設計が化学繊維の原料に戻し、制服を生産する。

高宮などは全国の企業にリサイクルへの参加を呼びかける「企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会」を立ち上げた。推進委員会の事務局を務める高宮が販売した制服を対象に無料で回収する。すでに共栄美装(広島市西区)や門屋組(松山市)が賛同して参加した。

資源を有効活用するサーキュラーエコノミー(循環経済)や持続可能な開発目標(SDGs)が登場し、企業は廃棄物削減が迫られている。推進委員会は制服に廃棄ゼロを意味する「ゼロエミッション」マークをつけるため、企業も資源循環の取り組みを訴求できる。

環境省によると衣類の廃棄量は年78万トン。そのうち事業所からは3万6000トンが排出され、39%が廃棄処分されている。2022年度にはプラスチック製品の廃棄抑制と再利用拡大を目指す「プラスチック資源循環促進法」の施行が見込まれており、化学繊維でできた制服にも循環利用が求められそうだ。

日刊工業新聞2021年6月1日

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

回収を依頼するとサーキュラーエコノミーやSDGsの取り組みに参加できます。企業にとってすぐにできる行動と思いました。家庭も合わせると年78万トンの衣類が廃棄されていますが、リサイクル・リユースは36%。資源として有効活用されているとはいえません。「分別をしているから十分」と思っていましたが、廃棄ゼロを目指そうと思うと分別からリサイクルへと活動をレベルアップできます。

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