人口減少ニッポン、“異質な新戦力”外国人とロボットの生かし方

 生産年齢人口の減少が続き、深刻な人手不足に直面する日本社会。打開策として外国人材、ロボット、人工知能(AI)など新たな担い手の活用が急務だ。ただ、異文化や先端技術を受け入れるには、既存の職場を変える必要がある。政府も外国人採用やロボット導入などを積極支援する中、日本企業は新たな働き方を確立できるだろうか―。

 総務省によると、2018年1月時点で15―64歳の生産年齢人口は約7500万人。25年には約7200万人、35年には約6500万人まで減り、労働力不足はさらに深刻化する見込みだ。

 政府は事態を打開するため、これまで慎重だった外国人材の受け入れ拡大を決めた。4月から新たな在留資格制度を開始し、5年間で最大34万人近くの受け入れを想定する。

 だが、外国人受け入れは時として困難を伴う。「初めは日本人社員との間でトラブルが絶えなかった」―。アフリカ系などの難民が定着する栄鋳造所(東京都八王子市)の鈴木隆史社長は、受け入れ当初をこう振り返る。外国人材にとって分かりやすい英語の掲示を工場内に設置するなど、“内向き”だった職場を変えることでトラブルは減っていった。

 外国人材の受け入れ拡大は人手不足の打開策として期待される半面、同社が経験したようなトラブルの増加も懸念される。新戦力を円滑に受け入れるには、職場全体の意識を変え、グローバル化する必要があり、各企業の対応力が問われることになる。

 また外国人材と同様に、ロボットなど先端技術も導入の難しさがある。東京都中央区の特別養護老人ホーム「新とみ」では装着型支援ロボットやコミュニケーションロボットなどを利用し介護業務の負担軽減につなげているが、導入当初は「使いたがらない従業員もいた」と現場関係者は明かす。ロボット技術は進化しているが完璧ではなく、ロボットが力を発揮できるよう日常業務を見直す必要がある。このため業務に習熟したベテランであればあるほど、先端技術の導入に抵抗感を示しがちだ。

 外国人材も先端技術も、貴重な戦力になり得るのは間違いない。ただ“異質”な存在であるが故、特に伝統的な職場ではスムーズになじまないリスクもある。経営者や既存従業員による、融和や共存のための努力が欠かせない。
(文=藤崎竜介)

日刊工業新聞2019年2月15日

  

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