旧日産系の自動車部品大手が埼玉の本社売却へ、その狙いは?
マレリ、在宅勤務増え資産効率化
マレリ(さいたま市北区、ベダ・ボルゼニウス社長)は、本社のビルと土地を売却する。すでに売却契約を交わしたが、相手や金額は非公表。6―7月に売却する見通しだが、その後も当面は賃借で本社ビルに入居する。本社ビルからの転居時期は未定だが、本社機能は埼玉県内に置く方針だ。同社は新型コロナウイルス感染症防止のため在宅勤務が増えている。これに対応し保有不動産の見直し、資産効率を高める。
本社ビルは本館と西館で構成し、土地面積は計約3万3000平方メートル。売却益はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)領域の技術開発や生産など事業拠点拡大に充てる。
同社では在宅勤務を推進している。本社勤務の従業員約2500人のうち7割が在宅で働く。コロナ禍後も在宅勤務を推奨する考えで、本社売却を決めた。
日産自動車系列だった自動車部品大手のカルソニックカンセイは欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門のマニエッティ・マレリと経営統合し、2019年10月に社名を「マレリ」に変更した。