マレリが数百億円を投じEV用モーターシステムの生産を100万台規模に

狙いは欧州と中国

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マレリ(さいたま市北区、ベダ・ボルゼニウス社長)は、2025年に電気自動車(EV)用の駆動モーターシステム「eアクスル」の生産を100万台規模にする。欧州と中国にそれぞれ工場を設けて2極体制を確立する。投資額は数百億円を見込む。脱炭素化の潮流で電動化が加速する中、EV市場が広がる中国と今後の伸びが期待できる欧州の需要を取り込む。電動パワートレーン事業の売上高を現状の数百億円から、25年ごろに1000億円程度に引き上げる。

eアクスルはモーターとインバーター、変速機(ギア)が一体となった駆動部品。23年をめどにフランスで、24年をめどに中国でそれぞれ生産を始める方針。マレリはeアクスルの構成部品を手がけてきたが今回、eアクスル自体の生産に本格参入する。

25年に欧州・中国で各50万台の生産を目指す。中国では新工場を建設する方向。現地企業と協業に向けた話し合いを進めている。eアクスル以外の製品も含めた電動パワートレーン事業で基盤を固めて中国市場を深耕したい考え。

一方、フランスでは6月末までにマレリと、ギアを手がけるベルギー企業のパンチがeアクスルの生産合弁会社を設立する計画を公表済み。パンチの既存工場を活用し、全体で約40億円を投じる。

自動車の電動化を受けてeアクスルの需要は広がる。調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、eアクスルの35年の世界市場は19年比54・3倍の1250万台に成長すると予測される。駆動系の基幹部品を共通化でき、EV開発の工数の短縮やコスト削減につながるなどの利点がある。

マレリは19年に旧カルソニックカンセイと欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部門の旧マニエッティ・マレリが合併してできた。

日刊工業新聞2021年5月27日

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