歴史ある2次サプライヤーが倒産、自動車部品業界の淘汰が加速か

イワヰ、収益悪化にコロナ禍が直撃

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自動車サプライチェーンの整理・淘汰が徐々に進む(写真はイメージ)

自動車部品のプレス・溶接加工を手がけるイワヰ。昭和元年創業と100年近い業歴を誇るが、赤字続きの業績を懸念する声が多くあった。7月31日に民事再生法の適用を申請した。

自動車用のドアサッシやシートに使われる金属部品などを主力製品に、昭和の終わりごろには年商100億円を突破。2012年にはタイに現地法人を設立し、海外進出を果たすなど独立系自動車2次サプライヤーとして確固たる地位を築いてきた。ここ数年の業績は芳しくなく、収益面では15年1月期以降は7期連続で営業・経常・最終の全利益で赤字を強いられていた。

17年からは中小企業再生支援協議会の主導で事業再生を図り、金融機関から借入金の返済猶予を受けて財務リストラなどを敢行。その後、年商は100億円前後まで戻したが、収益性の改善は進んでいなかった。

そこに新型コロナウイルスの影響で完成車メーカーの生産が滞ったことで受注が減少し、20年5月には月商が2億数千万円程度にまで減った。例年であれば7億円程度は見込めるところだが相当な落ち込みで、急速に資金繰りが悪化。資金ショートも危ぶまれる状況に陥り、民事再生法の適用を申請する事態となった。

今後は法的手続きの下で再建を目指す。コロナ禍が追い打ちとなったとはいえ、課題である収益性の改善が進まなければ、いくら目先の資金繰りにめどが付いても再生はおぼつかない。

大変革の時代を迎え、サプライチェーンの整理・淘汰(とうた)が徐々に進みつつある自動車業界。電動化など、次の世界基準を握るための戦いは、コロナ禍の中であっても厳しさを増している。

競争相手は国内だけではなく、既存のメーカーだけでもない。大手といえども、長い間これまで一緒にやってきたからというだけで救いの手を差し伸べる余裕はなくなっている。歴史ある部品メーカーが立たされた苦境は、決して特殊なケースではない。

(帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2020年9月15日

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