新型コロナウイルスを検知。NECが空間モニタリングに向けた結合分子の開発に成功

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NECとNECソリューションイノベータ(東京都江東区、杉山清社長)は6日、空気中を漂う微粒子(エアゾール)に含まれるウイルス検知が可能な空間モニタリングに向けて、新型コロナウイルスと結合する人工DNAアプタマー(特定の物質と特異的に結合する核酸分子)の開発に成功したと発表した。

新型コロナウイルスは、ウイルス表面にあるスパイクたんぱく質のRBD(受容体結合ドメイン)がヒト細胞の表面にあるACE2受容体に結合することでヒトの細胞に侵入する。今回開発したアプタマーは、感染のカギとなるRBDを標的とし、RBDの立体構造を認識し、非常に強く結合することでウイルスを捕捉する。

今後は新型コロナウイルスに限らずインフルエンザウイルスなどのさまざまなウイルスが浮遊する空間をモニタリングできる新たなバイオセンシングシステムの実現を目指す。

具体的には2021年度に据え置き型の空間モニタリング計測装置のプロトタイプ(試作品)を計画中。22年度には、空調機などへの組み込み装置としての提供や空間モニタリングを可能とするバイオセンシングシステムの提供を目指す。開発したアプタマーは、14年に科学技術振興機構(JST)の「研究成果最適展開支援プログラム」で採択を受けたNECソリューションイノベータと群馬大学の研究を発展させた。

ウイルス表面にあるスパイクタンパク質のRBD(同社発表資料から)

日刊工業新聞2021年5月7日

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