産業界で「ワクチン休暇」導入広がる。交通費支給や副反応の対応も

政府も協力呼びかけ

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ワクチン接種に向けた企業の対応が広がっている(イメージ)

新型コロナウイルスワクチンの大規模接種の予約が17日始まるなどワクチン接種が本格化する中、産業界でも接種を受けやすい環境づくりが進んでいる。就業時間内の接種容認や副反応が起きた場合に休暇が取得できる「ワクチン休暇」の導入が広がっている。政府も産業界に協力を呼びかけており、接種の円滑化を経済回復の一助としたい考えだ。

三菱電機は17日までに新型コロナワクチン接種向けの「ワクチン休暇」制度を導入した。接種を希望する従業員が休日などの混雑時を避けられるよう有給の特別休暇を付与する。対象者はパート社員を含む計約4万3000人。副反応が出た際の休暇取得要件も緩和する。

ワクチン休暇は1日、半日、時間単位と柔軟に選択できるようにした。病気やけがの際に使える目的別休暇(最大20日)の取得要件を緩和し、副反応発生にも対応できる体制を敷く。

ヤフーは12日から、就業時間内における社員のワクチン接種を認めた。接種後に痛みや体調不良などで就業が困難になった場合、年次有給休暇とは別に特別有給休暇の取得も可能とした。

ソフトバンクも6月1日から就業時間中の接種を認めるとともに、その際の交通費を支給する。

メルカリは17日から契約社員やインターンシップ参加者を含む全従業員を対象に、希望者が就業時間内にワクチン接種を受けられるようにした。副反応による体調不良が生じた場合は、通常の有給休暇とは異なる特別有給休暇を付与する。事実婚や同性パートナーを含む従業員の家族の接種付き添いや副反応による看護が必要な場合も特別休暇を与える。

三井倉庫ホールディングス(HD)は、ワクチン接種を希望する社員が就業時間内であっても接種を受けることを認め、その時間は出勤扱い(就業免除)とする制度を4月末から導入した。ワクチンの副反応などで体調不良となり、就業が難しい場合は特別休暇(有給)の取得が可能。従業員の家族が接種を受ける際にも同様の取り扱いを適用する。

ワクチン接種をめぐっては、河野太郎行政改革担当相が13日、経団連を訪れ、接種に伴う休暇取得の促進や、職場で接種できる体制づくりなど、経済界に対し協力を要請した。経団連の冨田哲郎副会長(JR東日本会長)は「国民的な不安を除去して経済活動を元気にするには接種を広めることが大事だ。企業としても最大限の協力をしたい」としている。

日刊工業新聞2021年5月18日

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