コロナワクチン1瓶から7回接種可能な注射器。ニプロが月内に50万本製造へ

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製造を開始した薬液が残りにくいローデッドタイプの注射器

ニプロは、米ファイザーの新型コロナウイルスワクチン1瓶から7回接種できる「ローデッドタイプ」の注射器の製造を大館工場(秋田県大館市)で開始した。5月中に約50万本を製造する。同工場の生産体制の整備を進め、製造本数を段階的に増やしていく。6月からタイの現地法人の工場(アユタヤ県)でも製造を開始し、2021年度に同注射器を2工場合わせて5000万本製造する計画。供給を開始する時期は行政と調整して決める。

注射器は針とシリンジを一体としたことで薬液が残りにくい構造にした。注射器に残る薬液を減らしたことで同1瓶から7回の採取を実現した。

ニプロは同1瓶から6回接種できる注射器の製造と供給も合わせて進めてきた。今後、6回接種できる注射器の生産設備も増強し、21年度に合計1億本を製造する計画。

ファイザーはワクチン1瓶から6回の接種を前提としているため、国は7回接種するかを医療現場の判断に委ねている。厚生労働省の担当者はワクチン接種の計画に変更はないとするが「効率的なワクチン接種につなげてほしい」と話す。

一部の医療機関ではインスリン用の注射器で7回接種が行われているが、針が皮下注射用で短いため、ワクチン接種に必要な筋肉注射ができるかを事前にエコー検査する必要があった。筋肉注射に対応するニプロの注射器が普及することで、効率的なワクチン接種につながることが期待される。

テルモも同1瓶から7回接種できる筋肉注射対応の注射器の製造を3月末に開始。4月に約7万本を既に出荷している。同社は、21年度に同注射器を2000万本製造する計画。

日刊工業新聞2021年5月12日

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