新型コロナワクチンを接種できるマイクロバスが生まれた
ビッグウェーブホールディングス(浜松市東区、仲谷正樹社長)は、静岡県西部地域の企業と協力し、車内で新型コロナウイルスなどのワクチン接種を実施できるマイクロバスを開発した。座席部分を改造して必要な設備を搭載し、ワクチン接種用のスペースにした。車内の付属品や連絡用の通信端末も含め、価格は1700万円(消費税込み)。医療機関や自治体向けに年内5台の販売を見込む。
車内のシートや床などの内装品はアルコール消毒ができる医療機関仕様。ワクチンを保管する冷蔵庫は輸送時の振動を防ぐためのダンパーを搭載した。独立した電源としてリチウムイオン電池を搭載し、エアコンや照明、冷蔵庫などの機器を使用した場合でも約10時間活動できる。乗降口にはエアカーテンを設置。車いす用のスロープも搭載した。
マイクロバスは商業施設や公共施設の駐車場などでの運用を想定。接種を受ける人は、受付時に番号プレートと問診票、受信専用端末を受け取り車で待機。端末で呼ばれたら、同バスに行き問診を受けワクチンを接種する。
接種後は発信専用端末を受け取り、再び車に戻り、経過観察のため待機。もし異常が出た場合は端末で連絡する。バス内は医師と看護師、接種対象者のみの状態が常に保たれ、感染リスクを低減した形で運用できる。
ビッグウェーブホールディングスはこれまで、PCR検査を実施できるバス、軽車両、移動型テントや屋内空間を除菌・消毒する噴霧ユニットを開発するなど、感染リスク低減につながる製品を積極的に開発している。
日刊工業新聞2021年5月