エスペック、コロナワクチン対応の保管庫を拡充!ファイザーの超低温にも対応
エスペックは新型コロナウイルスワクチンの小口保管に適した保管庫を6月にも発売する。キャスター付きで可動式の床置きタイプと、卓上タイプの2種類を開発。超低温域にも対応する。ワクチン用のバイアル瓶が390本程度入る仕様。価格は100万円以下(消費税抜き)に抑える方向で検討する。大学や研究所で、細胞や血液など研究開発用生体試料の保存に使うことも想定。2026年3月期に5億―10億円の売り上げを目指す。
温度域は超低温のマイナス75度Cに対応するモデルと、マイナス20度―40度Cに対応するモデルを用意する。エスペックの主力である環境試験器の温度制御ノウハウを生かし、米ファイザー製ワクチン向けの超低温域にも対応する。
医薬品の適正流通基準「GDP」に対応した温度計(温度ロガー)を標準装備。ワクチン接種の本格化を見据え、サテライト型など小口保管が必要な施設向けに提案する。
新型コロナワクチン関連で、エスペックは沢藤電機と共同開発した肩掛け式の定温輸送保冷庫を4月に発売する。同保冷庫はマイナス20度C、5度Cなど複数温度帯で庫内を精密に温度制御できる。
既存の小型環境試験器をワクチン保管用に改良した非売品の小型保冷庫も開発済み。これらの保冷庫計40台を、エスペックの工場などがある自治体を中心に無償貸し出しする計画もある。
日刊工業新聞社2021年3月24日