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富士電機が東京工場でローカル5Gを実証。データ収集装置を試作へ

富士電機は5月中に東京工場(東京都日野市=写真)の製造現場で第5世代通信(5G)を地域限定で使う「ローカル5G」を活用した実証実験を始める。作業員や工作機械が並ぶ環境下での通信検証などを行う。2021年度中にも5G対応データ収集装置(エッジコントローラー)の試作品を作る計画。

東京工場はパワーエレクトロニクスシステム製品のマザー工場。2月に総務省から周波数4・8ギガヘルツ(ギガは10億)の5G無線局免許を取得し、4月まで実証実験に向けた事前準備を進めてきた。5月から敷地内の金属加工現場で基幹システムと設備・機器間の大容量データ通信などを検証する。ローカル5Gの親局とアンテナを設置し、現場のカメラやNC加工機、モニター、作業員用タブレット端末をつなぐ。現場のプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)などの機器を束ねる5G対応エッジコントローラーも開発する方針だ。

5Gは高速大容量や低遅延、同時多数接続が特徴だ。工場で稼働するロボットや無人搬送車(AGV)、カメラなどを5G網経由で即時制御し、スマートファクトリー実現が期待される。現状では通信網を構成する機器などが高額で、低価格化が今後の課題となる。

日刊工業新聞2021年5月11日

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