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経産省が高度外国人材の採用支援。ミスマッチを解消できるか

経済産業省は高度外国人材の採用を目指す企業の情報発信体制を拡充する。日本貿易振興機構(ジェトロ)が運営するホームページの体制を強化し、日本企業での就職を目指す留学生や現地人材が一元的に情報を入手できるようにする。現状の掲載企業数を大幅に増やし、入社後のミスマッチが生じない仕組みを築く。

約250社にとどまるジェトロのポータルサイトの体制を強化するため、各経済団体への呼びかけを通じて高度外国人材を募集している企業の掲載数を増やす。関連省庁が実施する施策やセミナーなどの情報の集約も図り、一元的に情報を入手できない状況からの解消を目指す。

現在、政府で議論を進めている対日直接投資促進を図るワーキンググループ(WG)での中長期戦略策定を経て掲載企業を増やす動きを具体的に進める。専門相談員を通じて採用や各種手続きなどの支援も進め、入社後に企業と人材とのミスマッチが生じないように後押しする。

専門的な技術や知識を持つ高度外国人材の採用をめぐっては、特に地方の中堅・中小企業にとってアプローチする環境がこれまでも限られていた。コロナ禍で獲得する機会がさらに減り、留学生や現地人材にとっても日本での就職を目指す際の情報を入手できる機会が少なくなっている。アフターコロナにおける慢性的な人材不足も想定される中、企業と人材の双方が効率的に情報交換をしやすい環境を構築する。

日刊工業新聞2021年5月10日

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