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社員の1万歩=飲料1本に。アサヒ飲料が健康と社会貢献を両立

社員の1万歩=飲料1本に。アサヒ飲料が健康と社会貢献を両立

「Walk for a smile」アプリ(左)と昼休みにウオーキングするアサヒ飲料社員

アサヒ飲料は、全社員で歩き、歩いた歩数分に応じた本数の飲料を一般消費者に提供する「Walk for a smile」を 4月1日に開始した。社員向けに専用アプリを提供し、歩数をカウント。累積1万歩ごとに同社製品1本を、日本ウオーキング協会の主催するイベント参加者などに提供する。社員は歩数に応じたポイントがたまり、健康関連商品と交換できる。また、アプリを通じて健康情報が配信されるほか、社員同士が健康情報を発信し共有することができる。同取組みは9月30日まで行う。

Walk for a smileのアプリ画面

新しい日常での健康

「飲料を通じて心も体も健康になってもらうためには、まず自分たちが健康でなければならない」。アサヒ飲料の米女太一社長は、社員の健康増進活動に取り組む理由をこう話す。
 同社は経営ビジョンの1つに健康を据えており、2017年より従業員の健康を増進する取組みをスタート。スニーカー通勤やウオーキングの推奨などに取り組んできた。
 しかし、コロナ禍により生活スタイルが変化。社内向けに行ったアンケートでは、リモートワークなどの影響で運動不足を実感する社員が6割を超えた。新しい日常において、より運動を促す必要が生じた。
 また、健康に関する商品を長年展開してきた同社として、健康を通じて社会貢献ができないかと考えた結果、「歩数に応じて飲料を提供する」という Walk for a smile を展開することにした。

アサヒ飲料の米女太一社長

今回の取り組みによる同社ビジネスへの影響について、米女社長は「まず、会社の基盤である人材が健康になるというのが一番の効果。さらに、健康を軸とした経営で成長しているということを社内外へ発信し、認知してもらいたい」と話す。
 同社は「十六茶」「カルピス」など健康関連のロングセラーを多く抱え、長年にわたり乳酸菌などの研究を続けてきた。コロナ禍により健康意識がより一層高まっていることも背景に、商品開発や研究にとどまらず、健康促進の取り組みや情報発信を、社内外に向け積極的に行っていく。

ニュースイッチオリジナル
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
平日は8千歩程度歩き、足りない分は土日にランニングをしていると話す米女社長。「職業柄、ランニング中につい自販機が気になってしまう」と話していました。ウオーキングやスニーカー通勤などの取り組みを始めてから、社内が活動的な雰囲気になったといいます。

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