自動車部品メーカーが「従業員の健康」競う

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東海理化は30歳と40歳の社員を対象に「いきいき健康運動講習」を実施

自動車部品メーカーが健康経営に力を入れている。健康増進につながるイベントや食事、メンタルケアなど多岐にわたる施策を展開する。東海理化や愛三工業などは、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2021」の大規模法人部門で2021年も認定された。各社は従業員らの健康が競争力の源泉と捉える。企業としてより魅力を高めるためにも健康経営への取り組みが重要性を増している。(名古屋・山岸渉)

「事業の継続や新しい分野への挑戦の源泉は人そのもの。従来に増して従業員らが健康でいきいきと働ける環境を作りたい」。愛三工業の野村得之社長は健康経営についてこう力を込める。愛三工業は健康経営優良法人2021で、特に優れた500社の「ホワイト500」に3年連続で選ばれた。東海理化と大豊工業も2年連続でホワイト500に選定。住友理工は5年連続での同法人の認定となった。

各社は健康を意識付けるためにイベントなどで工夫を見せる。愛三工業はストレスとの上手な付き合い方に関するウェブ講演会を開催したほか、全社イベントとして体力測定を実施するなど健康増進活動に取り組む。大豊工業は運動の習慣付けとして職場でチームを組み、期間中の平均歩数を競う「てくてく大作戦」を実施した。

東海理化も30歳と40歳の社員を対象に「いきいき健康運動講習」を開催したほか、部署単位で健康づくり活動にも励む。同活動では本社(愛知県大口町)のVCセンター7階フロア中央に趣味の写真などを掲示し、情報共有だけではなくコミュニケーションの活性化も図る。

食事面などで意識付ける活動もある。大豊工業は社員の肥満や生活習慣病の予防のため、カロリー確認の習慣付けを促す施策を実施している。食堂で免疫力向上効果がある、という食材を使ったスープメニューを提供して、社員の健康維持も支援していく。

東海理化は「健康チャレンジ10」として朝食や飲酒、笑顔、健康イベントに参加などを含めた10項目を定める。実践状況を定期的に調査するなど生活習慣の改善につなげる。

一方、メンタルケアの拡充に取り組む動きもある。住友理工ではメンタルヘルス不調の未然防止研修などを実施。大豊工業では管理職層を対象に部下のメンタルヘルスケアに対応できるよう教育している。

部品メーカーが健康経営に力を入れる背景には、社会全体の健康や環境への関心の高まりを受け、持続的な成長を目指していることがある。愛三工業は30年を見据えた経営ビジョンを1月に策定。事業活動を通じて国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みに力を入れる構えだ。従業員らが心身共に健康であることが、より企業としての競争力や魅力を高めるために重要性を増している。

日刊工業新聞2021年3月25日

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