妊娠中の運動は子の肥満を防ぐ、東北大が仕組み解明

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東北大学学際科学フロンティア研究所の楠山譲二助教ら研究グループは、母親の妊娠期の運動が子の肥満を防ぐ仕組みを解明した。胎盤から作り出されるたんぱく質が親の運動の情報を子に伝達することをマウスとヒトによる解析で突き止めた。運動による胎盤からのたんぱく質の分泌には、適切な量のビタミンDが必要であることが分かった。妊娠期の運動と栄養を組み合わせることで、次世代予防医療の開発に貢献することが期待される。最近の研究で母親が肥満や運動不足などを原因とする「2型糖尿病」の場合、子が健康的な生活でも糖尿病のリスクが高まることが分かっている。

楠山助教らは母親の妊娠中の運動が子の肝臓における糖代謝を向上させることで、将来の肥満や糖尿病になりにくくなることを解明した。妊娠中の運動は、マウスとヒトの胎盤で「スーパーオキサイドジスムターゼ3(SOD3)」と呼ばれるたんぱく質の発現を増加させており、SOD3が母親の運動の有益な効果を子へ伝達していることを実証した。

SOD3は親マウスの母体内で子マウスの肝臓に働きかけ、遺伝子の発現を増強する変化である、デオキシリボ核酸(DNA)脱メチル化を介して、主要な糖代謝遺伝子の発現を増加し、肝機能を増加させていた。

日常の活動レベルが高いヒトの妊婦では、血中と胎盤でSOD3の量が上昇しており、妊娠期の運動効能マーカーとして利用できることが示唆された。

研究は米ハーバード大学やデンマークのオーフス大学、カナダのオタワ大学を中心とした国際的な共同研究によって行われた。

日刊工業新聞2021年4月9日

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妊娠 東北大学

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