地殻変動解明につながるか、東北大が地震前のラドン濃度低減を解明

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震度6弱の揺れで電車も止まり線路を歩いてJR新大阪駅に向かう乗客ら(18年6月18日、大阪市内)

東北大学大学院理学研究科の長濱裕幸教授ら研究グループは、2018年の大阪北部地震前後の大気中ラドン濃度を解析し、地震発生前に同濃度が減少していたことが明らかになった。研究で地震前の静穏化に伴うラドン濃度の低下を解明した。ラドン濃度を用いて地震に伴う地殻変動を解明できる可能性が出てきた。地震の発生前後にラドン濃度が増加または減少したという報告が世界中であり、地震予測に向けた研究が進められている。だが、そうした原因はいまだに不明となっている。

研究グループは大阪医科薬科大学、神戸薬科大学と共同で、大阪北部地震前後における付近の大気中ラドン濃度データを詳細に解析した。

大阪北部地震前後で観測された大気中ラドン濃度変動。黒丸は地震前の通常時変動、赤丸が地震前、青丸は地震後の変動(同大の発表資料から)

その結果、ラドン濃度は地震の約1年前から減少し、本震後の20年6月まで低いことが分かった。

ラドン濃度が減少した時期は観測点付近で地震活動が以前より減少していた時期に相当し、大地震前の静穏化によって地盤や岩石が変化しなかったことがラドン濃度減少につながったと考えられる。従来の研究では本震前に岩盤に亀裂が生じてラドン濃度が増加し、本震後に減少していく可能性が指摘されていた。

日刊工業新聞2021年4月12日

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