CKDが半導体装置向け機器の生産能力を25%増。さらなる増強も
CKDは東北工場(宮城県大衡村)で、半導体製造装置などに使用する流体制御機器や空気圧機器の生産能力を8月をめどに25%増強する。既設の工場棟内にクリーンルームを増設する。半導体製造装置の需要拡大により、同工場は一部の工程を2直勤務にするなどフル稼働に近い。増産の妨げだった組み立て工程のスペース不足を解消し、今後の受注増に備える。さらに需要拡大が続けば、愛知県春日井市などの別の工場の設備増強も検討する。
半導体製造装置用の流体制御機器や空気圧機器は、微細な異物の付着・混入を防ぐためクリーンルーム内で組み立てる。拡張分のクリーンルームは800平方メートルで投資額は8億円。従業員の負荷軽減や求人対策の観点から、基本的には1直勤務で需要に対応できる体制を目指す。
現状の東北工場はフル稼働時に、金額ベースで年間約120億円の製品を生産する能力があり、これが150億円になる。機器製品単体の組み立てに加え、周辺部品と組み合わせてユニットやシステムにする受注も増えており、組み立てスペースの拡大でこの対応力も高める。
同工場は82億円をかけて2019年1月に完成した。延べ床面積は1万8500平方メートル。自動化設備やIoT(モノのインターネット)活用などの知見を積極的に導入し、愛知県と三重県の既存4工場に比べて生産性を3割以上向上した。
東北工場は既存4工場から一部製品の生産も移管したが、稼働後は米中貿易摩擦とコロナ禍で稼働率が低い状況が続き、追加投資を見合わせていた。
日刊工業新聞2021年4月9日