日立が米IT企業を1兆円で買収、巨額M&Aに踏み切る真の理由とは?

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米社買収について会見する日立製作所の東原社長(31日)

日立製作所は31日、米国IT企業のグローバルロジックを買収すると発表した。有利子負債込みの買収総額は96億ドル(約1兆637億円)で、国内電機メーカーとして過去最大規模だ。10年以上続いたグループ再編に一定のめどが付いたことで、攻めのM&A(合併・買収)を加速する。電機業界ではパナソニックも米ソフトウエア大手を巨額買収する方向。日本特有のハードウエア中心主義から脱し、デジタル変革(DX)を主導するグローバル企業への脱皮を目指す。

日立が買収するグローバルロジックはDX関連ソフト開発を得意とする。2000年創業で、欧米中心に通信や金融、自動車など400社超の顧客を抱える。従業員数は本社のシリコンバレーなど世界14カ国に計2万人以上だ。

日立独自のIoT(モノのインターネット)共通基盤「ルマーダ」事業強化が主な狙いだ。同日会見した東原敏昭社長は「ルマーダを進化させて、グローバル展開を加速するために行う。別の言葉で言えば、『世界のルマーダ』にするための買収だ」と語った。

グローバルロジックの20年3月期の売上高は7億7100万ドルだった。「チップからクラウドまでのつなぐ力と、顧客との協創力が素晴らしく、日立とシナジーが出せる」(東原社長)と特に迅速な開発力に期待する。

日立は21年7月末までに海外ファンドなどの既存株主からグローバルロジックの全株式を取得する予定。約1兆円の買収資金は過半を銀行借り入れと社債発行で調達し、残りを手元資金でまかなう。

日立のグループ再編はルマーダとの親和性を主な選別基準に進めてきた。相乗効果の見込めない上場子会社は“御三家”の日立化成のような古参でも次々売却してきた。06年時点で22社あった上場子会社は今や日立金属と日立建機のみ。現在、両社の一部株式も売却準備中で、21年度中にけりを付ける方針だ。


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日刊工業新聞2021年4月1日

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