NECが遠隔でピッキングロボット実証、「ローカル5G」の実力は本物か
NECとNECプラットフォームズ(東京都千代田区)は5日、NECプラットフォームズ甲府工場(甲府市)に、第5世代通信(5G)を地域限定で利用できる「ローカル5G」の4・7ギガヘルツ(ギガは10億)帯域を用いた環境を構築し、ピッキングロボットの遠隔操作と、映像・音声の共用による遠隔作業支援の二つの業務で有効性を検証したと発表した。2022年度までに生産ラインへ本格導入を目指す。
ピッキングロボットは、5Gで映像伝送しながら1人で2台のロボットを制御し、遠隔から8種の部品のピッキングを検証。映像表示・ロボット操作の遅延が0・2秒以下と、ストレスなく操作できる目標値を達成した。
遠隔作業支援は現場作業者がスマートグラスを着用し、支援者や熟練者は現場に赴くことなく遠隔からリアルタイムに作業指示を行う。実証ではライン停止時間と後戻り作業の削減など遠隔作業支援の有効性を確認した。
フルHD映像と4K映像で遠隔作業支援を比較したところ、4K映像は支援時間が平均約20%短縮できた。
NECプラットフォームズは国内外の工場に順次ローカル5Gの導入を進める計画。複数の無人搬送車のリアルタイム制御や映像データの利活用促進、工場内ネットワークの無線化などで5Gの活用シーンを広げ、生産効率の向上を図る。
日刊工業新聞2021年4月6日