「はやぶさ2」のプロジェクトでJAXAが契約した企業は何社?

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打ち上げ前の「はやぶさ2」探査機の機体(JAXA提供)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、2003年に打ち上げた初代「はやぶさ」の設計を生かしつつ、短い開発期間で高い信頼性の探査機を完成させた。初代はやぶさは月より遠い天体に行って着陸してから地球に戻る世界初のミッションに成功した。だが数々のトラブルに見舞われ、地球帰還が危うい場面が何度か見られた。初代はやぶさのトラブルに対処した設計にしたことで、全てのミッションを成功させた。

NECはいくつかのコンポーネントに加え探査機全体のインテグレーション(組み立て)を担当した。また三菱重工業はロケットや化学推進系、イオンエンジンの燃料供給系などを手がけた。

はやぶさ2の主要部分の開発で直接契約した企業は10社程度だが、細かい契約も加えると100社以上。下請けも含めると膨大な数の企業がプロジェクトを支えた。当時はやぶさ2プロジェクトマネージャだったJAXA宇宙科学研究所の国中均所長は「計画通りに準備完了のスイッチを押せてよかった」と振り返る。

はやぶさ2のプロジェクトでは、目的地点にピンポイントでタッチダウン(着陸)し試料を採取する技術や、人工クレーターを作って地中の試料を回収する技術が注目された。地球から完全遠隔で指示を送ることで成し遂げられ、遠隔・通信技術にも貢献すると期待される。

さらに採取した試料を入れるカプセルの耐熱技術や試料の回収システム、人工クレーターを作る衝突機の溶接技術などは、JAXAだけでなく企業との共同研究で生み出された。JAXAの津田雄一はやぶさ2プロジェクトマネージャは「時間がない中で既存の技術を応用する力を感じた」と語った。

はやぶさ2は新たな小惑星を目指して飛行を続けている。リュウグウで採取した試料はさまざまな分析が行われ、太陽系や生命の起源の解明につながると期待される。

地球―小惑星間を往復する「惑星間往復航行」をトラブルなく成功させた。リュウグウでは精度60センチメートルでの着陸を2度達成し、人工クレーターを作ってリュウグウの表面と地下の試料を採取した。<これらは回収カプセルに収納され地球帰還時に回収した。はやぶさ2には従来の4倍精度が良いアンテナが搭載され、円滑に地球から遠隔操作できた。
(飯田真美子)

日刊工業新聞2021年3月24日

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