システム障害で謝罪したみずほ、でも原因は日立?損害賠償請求も?
みずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長は5日会見し、2020年度末に4度続いたシステム障害について「大変なご迷惑、心配をお掛けし、心より深くおわびする」と改めて謝罪した。その上で外貨送金の遅延トラブルについて、日立製作所が保有する装置の故障が原因だったことを明らかにし、同社への損害賠償請求について、「状況が見えてから相談をしていく」とした。
日立が関係したトラブルは3月11―12日に発生した。11日23時半ごろに同社が保有するディスク装置が故障。自動バックアップ機能も作動せず、手動交換もできなかった。翌日朝方にかけて復旧作業をしたが、みずほ銀行の作業ミスもあり、本来12日付で処理されるはずだった国内他行向けの外貨送金(約500億円・263件)が遅れ、他行からの外貨受け取り(761件)に不備が生じた。
日立の社名公表は、「透明性のあるかたちで説明責任を果たす必要がある」(坂井社長)と判断したため。今後、同社との契約に基づいて「しかるべき対応をしていく」(同)とし、賠償請求が視野にあることを示唆した。
みずほFGは5日、外貨送金遅延を含む4件の再発防止策の検討状況を中間報告した。不適切な時期にデータ更新をしたことなど、「システム開発、運用のチェックが不十分だった」(同)ことに共通原因があるとみる。
今後、第三者らによる検証を踏まえて再発防止の具体策をまとめる。坂井社長は「経営のコミットの下に仕組みをつくる」と信頼回復に向けた決意を述べた。
日立「深くおわび」
日立製作所は5日、みずほ銀行のシステム障害についておわびのコメントを発表した。「今回の障害に関し、みずほ銀行をはじめとする多くの関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くおわび申し上げる」と陳謝した。併せて、「今後も引き続き、みずほ銀行による調査への協力を行い、再発防止に向けて取り組んでいく」と明らかにした。発生した損害の負担についても両者で協議に入る見通しだ。