SOMPOが運営する1万8000室の老人ホーム、睡眠状態の深さを測定するIT導入へ
SOMPOホールディングス(HD)は8月までに、運営する有料老人ホームの全居室に、入居者の睡眠状態の深さを測定するIT機器を導入する。導入するのは約1万8000室で、投資額は約18億円。職員が夜間に居室を巡視する回数を減らすことや入居者の睡眠中のバイタルデータを取得することで、職員の業務負担の軽減、サービスの向上を図る。
導入するのは睡眠状態を測定できる「眠りセンサー」。入居者のベッドのマットレスの下に、センサーが内蔵されたシートを設置することで、入居者の寝返り、呼吸、心拍などを測定し、睡眠状態を把握することができる。
現在、SOMPOケア(東京都品川区、遠藤健社長)が展開する有料老人ホーム276施設のうち、202施設に導入している。職員が居室を訪問することで入居者の状況を巡視していたが、パソコン画面上で状況を確認できるようになった。既に導入している施設では、これまで夜勤の人員が各施設3、4人必要だったが、1人程度減らすことができた。代わりに日中の職員を増員し、サービスの向上につなげている。
SOMPOケア業務革新部推進課の高野直子チームリーダーは「夜間の見守りなどの業務を効率化し、入居者の安眠を確保することにつながっている」と評価する。さらに、入居者の体調に変化があった際は、往診医がデータを確認できるようにしているため、素早い処置につながっているという。
日刊工業新聞2021年4月2日