JR東海が86編成を対象に改装工事へ、ブレーキなどに新機能

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東海道新幹線車両「N700A」。86編成を対象に改造工事に取り組む

JR東海は2021年度から3年かけて、従来型の東海道新幹線車両「N700Aタイプ」86編成を対象に、改造工事に取り組む。20年度から営業運転を始めた新型車両「N700S」で採用するブレーキなど一部の新技術を搭載。異常時対応力や状態監視体制を強化することで、さらなる安全・安定輸送の実現につなげる。一方、駆動システムなどの入れ替えや車内の座席・サービス設備に関する改修は行わず、車いす用席の追加も見送る。

N700Sのブレーキシステムは、時速285キロメートル走行時における緊急停止の制動距離を、N700A(3次車)比で約5%短縮できる。また異常時に、乗客が指令所の係員とも通話できる「車内通話装置」の客室両端部への設置拡充も図る。

将来のメンテナンス業務効率化と安定運行を目指し、車両で稼働する機器の状態監視機能体制も実施する。ビッグデータ(大量データ)を活用して、機器故障の予兆が現れた時点で修理を準備し、計画的に対応することで安定運行を実現する。

自社の浜松工場で、対象編成が3年に1回または走行距離120万キロを目安に行う「全般検査」に合わせて施工する。19年度末時点の東海道新幹線車両はすべてが700Aタイプに統一されており、全131編成。内訳はN700A51編成、N700Aの機能を付加する改造を施した「N700系」80編成。

20年度はN700Sが12編成加わり、N700系が9編成減る予定としている。N700Sの投入計画は新型コロナウイルスの感染拡大による需要低迷などを背景に、1年後ろ倒して23年度までに40編成を新造する予定。老朽車両を置き換えるとともに、使用を続ける車両については「N700S化」を行う。

日刊工業新聞2021年4月1日

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