熊本大と阪大、亜鉛添加でマグネシウム合金の強度向上に成功

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熊本大学の河村能人教授、大阪大学の萩原幸司准教授(現名古屋工業大学教授)らは、マグネシウム(Mg)に0・2%の亜鉛(Zn)と0・6%の希少元素のイットリウム(Y)といった微量の元素添加で強度が向上することを突き止めた。材料強化の程度を単結晶を用いてMg―Zn―Y系で評価した。従来のMg合金とほぼ同等の強度を示すことが分かり、実用化への課題だったコスト減につながる可能性があると見ている。

MgにZn、Yを含むMg合金はMg相と、LPSO(長周期積層)相を形成する。LPSO相が材料強化相として働き、Mg合金の強化につながる。MgにZn、Yを微量添加するとMg合金はLPSO相を形成せずMg相のまま、内部にY、Znがナノメートル級(ナノは10億分の1)の極めて薄い板、LPSOナノプレートを形成する。

研究グループはLPSOナノプレートの形成による材料強化を単結晶を用いて評価した。LPSOナノプレートを含むMg相は、従来Mg合金を強化すると考えられていたLPSO相と、ほぼ同等の強度を示すことが分かった。

LPSO相がなくてもLPSOナノプレートを適切に分散させることで従来の合金よりZn、Yの量を半分以下にしても優れた力学特性を持つ合金を開発できる可能性がある。

Zn1%、Y2%を含むMg合金はたわみにくいLPSO型Mg合金として軽量・高強度に貢献する構造材料として注目されている。ただレアメタル(希少金属)のYを多量に含むため、大幅なコスト増が見込まれており、普及への課題となっていた。

日刊工業新聞2021年4月1日

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