コロナ禍で目指す雨水タンクの「リモート施工」、福岡の建設コンサルタントが挑む

  • 0
  • 0
ケニアでの雨水地下貯水タンクの工事

雨水タンク施工、海外実績重ねる

建設コンサルタントの大建(福岡市早良区、松尾憲親社長)は、雨水を地下にためるタンクの施工実績を海外で増やしている。安全な水の安定供給を目指した事業で、国連の人間居住計画(ハビタット)などからの依頼による施工だ。新型コロナウイルスの影響で海外渡航が難しい中、リモートでの施工も目指している。

タンクは地面を掘って遮水シートを敷き、砕石を詰めて土をかぶせる。雨水は砕石の隙間にためる。砕石の間の微生物の働きなどで水質を向上させる。

この仕組みは国内の住宅向けに開発。当初は水道料の削減をポイントとしており、海外展開は「全く考えていなかった」(松尾社長)という。ところが、安価かつ施工や管理しやすいことなどがハビタットに認められ、2014年のラオスを皮切りにベトナム、ケニアでの施工に至る。

ラオスでは最初に貯水量100トン規模を小学校に完成させて以降、100トンや150トン規模を続けて施工した。18年にベトナムで施工したのは100トンサイズで、植物への散水などに利用されている。ケニアでは19年に100トンを施工した。

ラオスに設置した貯水タンクからの給水

海外では施工場所の選定時に、地域社会の融和を考慮するなど国内とは違った配慮が求められる場合もある。また住む場所の近くで水を確保できることは、女性や子どもによる水くみの負担を軽減することにもつながるという。

20年はインドネシアで施工する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で人の移動が難しくなり、計画は進んでいない。そこで目指しているのが「リモート施工」だ。インターネットで現地と連絡しながら施工する方法の実現に向けて、マニュアルの整備に取り組む。砕石は道路建設で使われるため、道路がある場所であれば砕石の確保は可能とみる。施工場所の土壌や砕石のチェックなど課題もあるが、松尾社長は「実現させたい」と意気込んでいる。

日刊工業新聞2021年3月30日

関連する記事はこちら

特集