火災時の通電可能時間を2倍に! 冨士電線が開発した非常電源回路用ケーブルがスゴい

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冨士電線の低圧耐火ケーブル。通電可能時間を従来比倍増の1時間に高めた

冨士電線(神奈川県伊勢原市、兒玉喜直社長)は、火災時の通電可能時間を従来比倍増の1時間に高めた非常電源回路用ケーブルを開発し、26日に発売する。ビルの高層化や高齢化で、火災時の消火・避難誘導が長時間化している。通電可能時間の拡大で、非常灯や誘導灯など消防用設備の動作時間の延長につなげる。施工業者など向けに提供し、2025年度に1億2000万円の売り上げを目指す。

冨士電線が開発したのは、誘導灯や非常灯などの非常電源に配線可能な「低圧耐火ケーブル」で、消防用ケーブルの一種。従来同社を含む電線メーカーは、1971年に制定された規格に基づき、30分間840度Cに耐えられる低圧耐火ケーブルを販売してきた。

しかし日本電線工業会は、近年の消火活動・避難誘導の長時間化を考慮し、20年10月に新規格を制定。これを受け、同社は、925度Cに達する場合でも1時間耐えられるケーブルを開発した。

同ケーブルの被覆には、素材メーカーである岡部マイカ工業所(福岡県中間市)と共同開発した耐火層材料「マイカテープ」を採用。従来品と同等の外径・重量・取り扱い性を実現した。

新ケーブルは、高層ビルや長距離トンネル、ショッピングセンター、高齢者施設など、火災時の避難誘導に30分以上を要することが考えられる建築物の消防用設備配線として適用を見込む。同社によると、「特に問題は発生していないものの、(大型施設や高層ビルでは)避難に30分以上かかっているケースが多い」としている。新ケーブルの提供で、災害時のより安全な避難誘導を促進する。

冨士電線は昭和電線ホールディングスのグループ会社で、消防用や通信用ケーブルの製造・販売などを手がける。消防用ケーブルで国内トップシェア。

日刊工業新聞2021年1月26日

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