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東海大が複数学部をまとめた「カレッジ制」を導入する狙い

東海大学は4月から分野別に複数学部をまとめたカレッジ制を事務組織で導入する。本拠地の湘南キャンパス(神奈川県平塚市)は工学、健康、教養教育など5カレッジになり、それぞれに事務組織「カレッジオフィス」を置く。これまで全国7キャンパス19学部を中央集権型で運営してきたが、総合大学でも教員・事務職員と学生の距離を近くすることを重視。2022年度の学部学科の大規模改組に先立ち、事務組織の改編をする。

改編で、似た複数学部を組み合わせた小さな大学「カレッジ」が多数でき、このカレッジの集合体として東海大学があるというイメージになる。学部より大きい単位の各カレッジのオフィスが、教育・研究支援や就職活動、入試、留学、広報などの業務を横断的に手がける。

従来は湘南キャンパス全体で学生の成績や単位、学費、就活など案件ごとに、別の建物の窓口で対応していた。今後、学生らは各分野のカレッジオフィスできめ細かなサービスを受けられるようになる。広報活動なら全学部が大学広報部に頼るのでなく、カレッジオフィスの担当者が各カレッジの特色を生かした戦略で、教員らをサポートする。

再編後の東京キャンパス(東京都港区、渋谷区)は、社会科学系と情報通信学系を掛け合わせる「グローバルシチズンカレッジ(高輪・渋谷ブランチ)」になる。また医学部(神奈川県伊勢原市)と、札幌市、静岡市、熊本市の各キャンパスはそのままカレッジになる。

日刊工業新聞2020年3月19日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
日本の大学を英語で表現すると、「大規模総合大学がユニバーシティー、小規模単科大学がカレッジ」と単純に思っていたが、東海大の形はその両方を持つ形といえるだろうか。確かに20前後の学部がある大規模大学は、学部単位だけでは細かすぎる。キャンパスごとでひとまとまりにしていることが多い が、「性格が似ている学部・研究科」というくくりに注目するわけだ。他大学でも同様のケースが出てくるのだろうか?

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