不二越が水平多関節ロボットに参入!5G向けが好調なエレクトロニクス向けへ
不二越は水平多関節(スカラ)ロボットに参入する。3月内に最大可搬質量6キログラムで最大リーチ500ミリ―700ミリメートルの4軸スカラロボット「EC06」の出荷を開始する。独自の中空手首構造を採用した小型ロボット「MZシリーズ」と共通の制御装置で使用可能。ライン一式を同社のロボットで構築できる体制を整えた。IoT(モノのインターネット)や第5世代通信(5G)対応に向けロボット導入が本格化している電機・電子分野を中心に訴求する。
EC06の価格はオープン。年間2000台の販売を目指す。軽量化と高剛性を両立した設計で、位置繰り返し精度はプラスマイナス0・02ミリメートル。先端軸は中空構造になっており、ロボット本体やグリッパーなど各種ツールの配線・配管の内蔵が可能。周辺装置との干渉リスクを低減する。ティーチペンダントの代わりにパソコンを制御装置に接続して操作できる。
不二越はこれまで天吊設置により省スペース化を実現する「ウィングスライサー型」のロボットを展開していたが、スカラは今回が初めて。
併せて、中空手首構造を新たに採用した6軸の垂直多関節ロボット「MZ12H」も3月内に発売する。人手不足解消や生産性向上などのために導入が進む小型ロボットの商品群を拡充する。価格はオープン、年間3000台の販売を目指す。
2018年に発売した小型ロボット「MZ12」の特徴はそのままに、新製品は中空手首構造を取り入れた。配管の引き回しを簡略化し、周辺装置との干渉リスクを低減する。手首トルクも強化し、大型の加工対象物(ワーク)やロボットハンドに対応。バリ取りやワークを生産設備などに着脱する「マシンローディング」など幅広い用途で活用できる。位置繰り返し精度はプラスマイナス0・04ミリメートル。MZシリーズは可搬質量3キロ−25キログラムの機種が中空手首構造になった。
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