NTT西日本が「ローカル5G」に参入、地方中小企業を後押し

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ひびき精機では、スマートグラスでの映像をローカル5Gで送信する「リモート作業支援」を実現した

ローカル5G

西日本の幅広い地域において、光回線という有線インフラを提供するNTT西日本。第5世代通信(5G)を地域限定で利用する「ローカル5G」に参入し、無線技術による提案も本格化し始めた。NTT東日本とともに、有線と無線のハイブリッド提案を強みとしながら地方の中小企業のスマートファクトリー化を後押しする。

2020年夏、NTT西は、半導体業界や航空・宇宙業界向けの部品を製造するひびき精機(山口県下関市)と組み、ローカル5Gの実証実験を始めた。ひびき精機がスマートファクトリーを前提とした新工場を建設。NTT西は、アンテナや対応機器などを提供したほか、業務課題の洗い出しや、無線局免許取得の関連手続きなども全面的に支援。試行錯誤の末に、ひびき精機は中国地方初のローカル5G免許取得者となるに至った。

そうして構築したのが「リモート作業支援」の仕組みだ。若手技術者がスマートグラスを着用し、その目線での映像を無線で送信。別棟に待機している熟練技術者がその映像を確認して、若手技術者に指示を出す。熟練技術者が現場に直接駆けつけていた従来体制と比べ、作業指示に関する時間を約20―30%削減できたという。

リモートで監視

工作機械などを高精細カメラで撮影して無線で送信する「リモート作業監視」の仕組みも構築した。複数のアプローチで最適な導入のあり方を探っている。

ローカル5Gは専用の閉域網のため、大手携帯通信事業者の5Gよりも高いセキュリティーを確保でき、ネットワーク混雑回避のために帯域制御される心配もない。また携帯通信事業者の5G整備が及んでいない地域でも任意に構築可能。NTT西ビジネスデザイン部の里村裕樹主査は、「工場が立地する山や海沿いでは、LTEすらない場所もある。そうした場所でこそ力を発揮できる」と期待を込める。

危険検知も計画

20年12月にはNTT西自身もローカル5G免許を申請。現在、大阪市内で進めている新本社ビル建設現場で、人工知能(AI)カメラを用いた危険検知などへの活用を計画する。完成後の新本社ビルでは、ローカル5Gを活用したベンチャー支援も展開予定。ノウハウを蓄積した上で、企業向け提案をさらに加速する考えだ。

日刊工業新聞2021年3月16日

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