ファミマがAIバーチャルエージェントで多忙な店長支援!おむすびの発注量などアドバイス
伊藤忠商事は、人工知能(AI)を活用したバーチャルヒューマンエージェントを使用し、ファミリーマートで店長の業務を支援するシステムの導入を進める。昨年から都内を中心に実験的に導入した店舗では、日商が同じような条件の他店舗と比べて平均3―4%伸びるなど、効果が見られた。現状38店舗から、2021年度中に数百店舗以上まで導入を増やす。
伊藤忠商事は、20年1月にAI開発スタートアップのクーガー(東京都渋谷区)と資本業務提携した。クーガーの手がけるエージェントシステムは、表情や動作を交えて人とコミュニケーションを図ることができる。
伊藤忠商事、ファミリーマート、クーガーによるバーチャルヒューマンエージェントシステムの名称は「レイチェル」。「忙しい店長の優秀なアシスタント」をコンセプトに開発した。レイチェルは発話によって作動する。
ファミリーマートの店舗で毎日確認が必要な「To Doリスト」などに沿ってレイチェルに話しかけると、クラウド上のデータベースから各店舗に応じた情報を入手し、日商データやキャンペーン情報の有無などをパソコンやタブレット画面に表示する。
レイチェルは前日の売り上げや当日の天気予報などのデータを基に、おむすびやサンドイッチといった商品の発注量の増減をアドバイスすることも可能。
ファミリーマートで店舗の経営指導にあたるスーパーバイザーが各店舗ごとに発注業務をアドバイスしているが、そうした業務をレイチェルが支援することで、作業の効率化が期待できる。
レイチェルは双方向性や継続性、柔軟性といった特性を備える。伊藤忠商事は今後、小売り、ヘルスケア、教育といった分野での慢性的な人手不足への対応、広告・エンターテインメント分野での販促、データを活用したサービスなど幅広い分野での応用に取り組む。