クボタがインドでトラクターの現地生産拡充! 最大手のマヒンドラに対抗なるか
クボタは2021年夏をめどに、インド市場向けに現地生産するトラクターの商品群を拡充する。農作業以外にけん引や物資の運搬にも使える「マルチパーパス(多目的)トラクター」で、既存の45馬力の機種に加えて49馬力の機種を現地で生産する。海外向けで欧米や東南アジアなどに比べて手薄だったインドで存在感を高める。
マルチパーパストラクターはインド北部のハリヤナ州にある、クボタと現地農業機械メーカーのエスコーツの合弁工場で生産している。21年夏をめどに、クボタのタイ工場で生産する55馬力の機種を同合弁工場に移管した上で、インドの市場に適した49馬力製品に改良する。
同合弁工場は20年9月に量産を開始した。クボタ向け製品となるマルチパーパストラクターの20年12月期の生産実績は約2400台で、21年12月期は約1万6400台を予定。22年12月期にクボタ向け製品とエスコーツ向け製品の合計で5万台の生産を計画する。
クボタは08年にインドの農機市場に参入した。マルチパーパストラクターは15年から同市場で販売している。価格競争力のある農機製造に強みを持つエスコーツと組み、現地最大手のマヒンドラ・アンド・マヒンドラや農機最大手の米ディア・アンド・カンパニーなどへの対抗基盤の整備を急ぐ。
日刊工業新聞2021年3月12日