北米市場で必ず1位に!クボタが描く未来図

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北米でCTLなど小型建機のシェア拡大を目指す(クボタ提供)

クボタは、2025年12月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画と30年までの長期ビジョン「GMB2030」を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響からの回復を見据え、25年12月期連結業績予想(国際会計基準)は20年12月期比で売上高24・1%増、営業利益71・2%増を目標に掲げる。製品群拡充、新工場稼働で今後の事業拡大を見込む北米での小型建設機械などを成長ドライバーに位置付ける。(大阪編集委員・林武志)

「(30年に北米市場で)必ず1位になる」―。22日、大阪市浪速区の本社で記者会見したクボタの北尾裕一社長はこう力を込めた。同社が今後、成長の核に据えるコンパクトトラックローダー(CTL)などの小型建機は郊外の住宅工事や都市部の狭い場所での再開発で活躍する。コロナ禍で北米では郊外に移住する動きもあり、足元の住宅着工件数は堅調だ。バイデン米新政権下でも住宅着工は「伸びるだろう」と北尾社長は分析する。

CTLなど小型建機は22年に新工場(カンザス州)を稼働させ、開発・生産・販売が一体化する体制が整う。北米での小型建機のシェアは20年12月期時点で20%で、25年12月期に25%、30年12月期に30%を目指す。

他方、タイなど東南アジア市場の農業機械事業について北尾社長は「畑作の機械化が遅れている」と指摘。稲作が成熟化した同市場の転換期を下支えする。

こうした戦略を実現するため投資も積極化。20年12月期実績で872億円だった設備投資は25年12月期までの5カ年累計で6000億円、同553億円だった研究開発費は5カ年累計で4000億円を計画する。

一方、デジタル変革(DX)推進は課題となる。DXは米マイクロソフト(MS)とも連携するが、吉川正人副社長は「我々は今まで遅れていたと思う。アフターマーケット事業は製品サービスにいかにデジタルを組み込むか。これが競争力を左右する」と認識する。

長期ビジョン「GMB(グローバルメジャーブランド)2030」ではESG(環境・社会・企業統治)を経営の中核に据える。今後は社長直轄の経営戦略会議発足も視野に入れる。新長期ビジョンと中計について、みずほ証券の宮城大和シニアアナリストは「成長投資と収益性改善の両立が強調された点が好印象」と評価する。クボタが掲げる「食料・水・環境」への貢献はコロナ禍を乗り越えるためにも必要な領域。「経営に対する考え方は(20年1月の)就任以来変わっていない」と話す北尾社長の手腕が問われる。

日刊工業新聞2021年2月23日

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