経産省が発電施設やプラントの「スマート保安」で海外連携強化。官民でインフラ展開へ

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経済産業省は発電施設やプラントなどの保安管理の高度化を図る「スマート保安」の分野で海外との連携強化に相次いで動きだす。日本と同様の課題を抱えるタイやインドネシアなどとの取り組みを深め、企業や業界団体を巻き込んだ展開へ広げる。人工知能(AI)や飛行ロボット(ドローン)などを活用した効率的な体制構築へ技術交流や人材育成のほか、制度設計や標準化に向けた動きも視野に産業インフラを取り巻く国際協調の動きを拡大する。

タイとの連携は4月に設立するコンソーシアムを軸に、民間ベースの取り組みを進める。技術交流ではタイ企業が抱える課題に対し、日本企業が人材を派遣して解決する仕組みを構築する。スマート保安で必要となるデータエンジニアリングプログラムの提供による人材育成なども進める。

経産省とタイ工業省は2018年に覚書を結び、技術者交流などの連携を進めてきた。両国とも産業保安分野で施設の高経年化による課題を抱え、協力関係を基にしたスマート保安推進や企業間のビジネス開拓のほか、国際的な標準化も視野に展開する。

同様の取り組みはインドネシアとの間でも検討する。20年から政府間で定期的な意見交換を進めており、専門家派遣や民間ベースでの連携拡大を図る。海外連携に向けては産業事故が多発している中国ともこれまでにセミナーなどを通じて協力のあり方を議論してきた。両国に限らず、アジア圏全体で協力関係構築の可能性を探る。

産業インフラの老朽化や保安人材の高齢化の課題に対し、経産省はスマート保安推進へガイドライン整備や関連業界を含めた議論を進めてきた。政府は「インフラシステム海外展開戦略」で25年に34兆円の受注目標を掲げている。産業インフラを海外に送り出すだけでなく、その後の保安体制を含めた連携の在り方を模索する。

日刊工業新聞2021年3月9日

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