積載量は11トンダンプの2倍!福島の中小企業が開発の「土砂ダンプトレーラー」

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取り回し容易で土砂を22トン積める土砂ダンプトレーラー「花見台HDD220」

積載量確保、狭い道にも対応

トラックのスライドボディーやトレーラーなど輸送用機器の製造販売を手がける花見台自動車(福島県いわき市、能條健二社長)は、2015年に開発した土砂ダンプトレーラー「花見台HDD220」の販売に力を入れる。能條社長は「これからの低炭素社会に欠かせない土砂ダンプトレーラーだ」と太鼓判を押す。

現在、国内における土砂輸送はトラクターとトレーラーを連結した最大積載量28トンクラスの大型ダンプトレーラーや、11トンクラスのダンプトラックで行われている。大型ダンプトレーラーは狭い道への進入が難しく、ダンプトラックは積載量が少ないため輸送回数が増え、二酸化炭素(CO2)排出やドライバーの確保が課題となっている。

こうした課題解決を目的に開発したHDD220は、連結全長10・5メートル以下で22トンの土砂を積載できる。積載量は11トンダンプトラックの約2倍だ。運搬回数が減るためドライバーの荷役作業や待ち時間が短縮され、CO2排出も半分に削減できる。11トンダンプトラックの旋回占有幅が6420ミリメートルなのに対し、HDD220は5700ミリメートルと狭い道幅でも取り回しが容易だ。

土砂ダンプトレーラーは過積載によるトラクターとトレーラーの連結バランスが崩れる事故などが多発していたため、長く製造が禁止されていた。そこで自社開発で特許取得済みのコブラネックフレームを採用した。トレーラーとの連結部分が安定し、トラクターの駆動軸重を確保。トレーラーの小型化や高い走行性能を実現した。

東日本大震災の発生から10年を迎えるが、今でも福島県内では土砂運搬車両がひっきりなしに走る。「日本が50年のカーボンニュートラル実現に向けてかじを切った今、このトレーラーはダンプトラックに変わり環境への配慮と事業者の収益確保を両立できる製品になる」と、能條社長は力を込める。(福島支局長・高平裕哉)

日刊工業新聞2021年3月2日

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