USJのアトラクション機械で受注を伸ばした工事業者、一気に資金繰りが悪化し倒産へ

ライドエンジ、コロナで受注消失

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USJのアトラクションやパレード用車両の特殊機械の企画・設計から施工・保守を手がけていた(写真はイメージ)

1月8日、アトラクション機械の制作などを手がけるライドエンジが民事再生法の適用を申請した。過去に回収難や資金流出によって資金繰りが悪化し、近年は「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」からの受注増で経営改善に向かっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を前に自力再建を断念した。

同社は2010年11月に設立。省エネ機器販売会社の下請けとして蓄電池や太陽光などのシステム設計、設置工事や各種電気工事を手がけていた。当初より代表の人脈で大手電材商社などと取引を開始し、初年度から相応の受注を獲得。技術力の高さも定評だった。

業績拡大の転機となったのが、USJからの受注増だ。アトラクションやパレード用車両の特殊機械の企画・設計から施工、保守を手がけ、15年ごろには中心的事業に成長。15年10月期には年売上高約3億9200万円を計上していた。

しかし同年5月ごろ、大型ショッピングモールの下請け電気工事案件で2億円内外の回収遅延が発生し、これが資金繰りに影響した。代表は遅れている売掛債権の回収に奔走したがうまくいかず、金融債務の返済に追われる状態となる。さらに回収を図るため外部から招聘(しょうへい)した社員が、会社のクレジットカードを不正に使い込む横領行為も発生。その結果、金融機関への約定弁済が厳しくなり、16年12月に元本返済の猶予を要請していた。以降はUSJの積極的な新規投資などを背景にアトラクション関連受注が伸長し、資金繰りは改善に向かっていた。

だが、新型コロナの感染拡大に伴い政府および自治体の要請を受け、USJが臨時休園や入場制限を強いられ、イベント開催や新規開発案件の中止・延期が決定。売り上げの大半を占めていたUSJからの受注が一時消失し、資金繰りが一気に逼迫(ひっぱく)。第3波到来で資金繰りの見通しも立たなくなり、大阪府で21年第1号の民事再生案件となった。(帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2021年3月2日

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