パイオラックス、環境規制対応の燃料タンク部品を3倍に増産へ
パイオラックスは今後3年で、環境規制に対応した樹脂製燃料タンク向け部品の生産能力を現状比3倍に引き上げる。日本での生産を増やすほか、2021年中に中国で生産を始める。北米でも生産できる体制を整える。総投資額は数億円を想定する。世界では脱炭素化により自動車の電動化が加速する一方、新興国を中心にエンジン車の需要も広がる見込み。生産量を増やして燃料タンク向け部品の需要を取り込む。
増産するのは「2K部品」と呼ばれる燃料の透過防止性能を高めた樹脂製のバルブ系部品。部品の内側にバリアー層があり、揮発した燃料が透過しにくい構造になっている。
中国の武漢工場(湖北省)で21年中に生産を始める。現在は富士工場(静岡県富士市)と韓国の工場で生産。輸出拠点である富士工場の生産能力も増強するが、中国では現地生産することでコスト低減につなげる。北米でも現地生産に乗り出す。生産拠点は米国かメキシコで検討する。
中国や米国などでは大気汚染防止へ燃料透過規制が強化され、燃料タンクや燃料ホースから揮発するガスの低減が求められる。世界的な脱炭素の動きなどもあり、自動車の電動化が進むが、電動車へ移行する過渡期では新興国などでエンジン車の需要が一定程度見込める。同社は電動車向け部品の開発を進める一方、環境規制に対応した燃料系部品の拡販にも力を入れる。